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政治 / POLITICS

従軍慰安婦問題ではなぜ“被害者家族の抗議”がないのか?

公開日時:2014-05-16

 

従軍慰安婦問題ではなぜ“被害者家族の抗議”がないのか?

早速だが、韓国で大事件が起こった。4月16日の旅客船「セウォル号」の沈没事故だ。どうやら犠牲者は300人くらいに上るらしい。しかも、修学旅行中の高校生が大半ときている。痛ましい限りで、遺族および同級生の皆さんの心中は察するに余りある。

こういう災害の時は、国や民族を超えて同じ人類として助け合うのが道理であるから、朴クネ大統領も遠慮なく日本に協力を要請して欲しかったし、一部韓国メディアも日本の提案を「政治利用の下心がある」などと評する下種の勘ぐりは慎むべきだ。

さて、連日にわたる報道で、改めて日本中の耳目を引いたのが、韓国の遺族の抗議の凄まじさである。たしかに我が息子や娘の安否を思うあまり、捜索の遅れに苛立ちを爆発させる気持ちはよく分かる。集団で対策本部に押しかけて猛抗議するのも、まあ分かる。だが、海洋大臣や海洋警察庁長官といった政府高官が罪人のように床に座らせられたり、殴られたりして、被害者を気遣うために訪れた大統領までが罵声を浴びせられるというのは、あまり他の国では見られない光景ではないだろうか。そういう人たちの監督責任がどこまであるかは判断し辛いが、ただ、直接の責任者でもない人を殴ったり、小突いたりすると、今度は被害者のほうが加害者になってしまう恐れがあるのではないだろうか。

ところで、その様子をニュースで見ていた際、私の脳裏にふと、ある疑問が浮かんだ。それは沈没事故とは無関係な、例の従軍慰安婦問題についてである。韓国政府および韓国メディアと関連市民団体は、従軍慰安婦問題を次のように定義している。

「戦時中、20万人に及ぶ韓国の少女・女性たちが、日本軍と官憲によって誘拐され、戦場において性奴隷にされた挙句、その大半が殺害された」

彼らはこのような告発を行い、かつ国際社会に対して宣伝して回っている。仮にこの通りだとするなら、終戦直後にいったいどれほどの騒動が持ち上がっていたのだろうか。

おそらく、激怒する数十万もの被害者家族が、旧朝鮮総督府を取り囲んで猛抗議していたに違いない。ソウルの中心部を圧する大群衆は、竹槍を持ち、拳を振り上げ、涙を振り絞って、口々に絶叫していただろう。「日帝よ、わが娘を返せ!」と。

沈没事故における遺族の凄まじい抗議を見て、私の脳裏には、以上のような終戦直後のソウルのイメージが浮かんできた。ところが、フシギなことに、そういう抗議運動が起こったという記録はまったくない。いや、それどころか、慰安婦少女の両親や兄弟を名乗る人が現れたことすらない。戦中はおろか戦後も、誰一人として、である。ついでに日本軍が少女を誘拐する犯行現場を見たという「目撃証人」も現れたためしがない。どういう訳か、抗議活動も終戦から半世紀経った頃から始まった(しかもアカの他人によって)。

つまり、20万人もの韓国人少女・女性が日本軍に拉致されたというが、その「被害者家族」も「目撃者」もいないのである。ただ「自分はそういう目に合った」という婆さんだけがいる。これではまるで「エイリアン・アブダクション」ではないか(もっとも、異星人に誘拐されたという人でさえ、証言がくるくると変わったりはしないが)。

告発する側は、以上の疑問点について答える義務があるのではないか。せめて「なぜ被害者家族が誰一人として現れないのか?」について、合理的な説明がほしい。

(フリーランスライター 山田高明)

*ところで韓国人に釘を刺しておくが、私がここで述べた大群衆の抗議のイメージを、これから映画やドラマで“再現”するのはやめてほしい。捏造はやめましょう。
山田 高明

 

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